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TOEICスコアを生かせる仕事 (2016/10/06)

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■TOEIC問題に見る英語力
TOEICとは、コミュニケーション英語能力を測定するための世界共通英語検定テストです。国際コミュニケーション英語能力テスト(Test of English for International Communication)の略称で、アメリカのNPO団体である教育試験サービス(Educational Testing Service / ETS)によって運営されています。日本では、国際ビジネスコミュニケーション協会(The Institute for International Business Communication / IIBC)が年10回の公開テストを国内80都市で実施しています。TOEICプログラム全体では世界150ヶ国で実施され、年間約700万人が受験するほどの規模となっています。
TOEICテストは、リスニングおよびリーディングそれぞれ100問ずつの計200問で構成されており、所要時間は2時間です。テストの出題形式は毎回同様であるため、公式問題集などを参考に学習することができます。2016年現在、TOEIC運営委員会が出版しているTOEIC公式問題集は7冊で、本番と同じ形式の模試が1冊に2回ぶん収録されています。
TOEICが提唱するのは、ビジネスの場などにおける実際のコミュニケーションに必要とされる英語力です。いわば実践的な英語能力であり、これに則した設問がセクションごとに用意されています。
リスニングセクションでは、写真描写、応答、会話、説明文といった形式で問題が放送されます。受験者はこれらを聞き取り、各設問に答えていきますが、リスニングセクションで与えられる時間は45分です。英語を正確に聞き取る能力がスピードとともに測られることになります。
英語を素早く的確に聞き取るためには、発音やアクセントの知識、およびその体得が大きく物を言います。リンキングと言われる音の連結、リダクションと言われる音の弱形、ウィーキングと言われる破裂音消失、フラップと言われるtの発音変化など、英語の音の変容は多彩にあり、規則性を抽出することは非常に困難です。しかし、これらをしっかり体得し、かつ単語や文法の意味を把握していなければ、ネイティヴによる英語のナチュラルなスピードについていくことはできません。
リーディングセクションでは、短文穴埋め問題、長文穴埋め問題、1文書のシングル・パッセージについて、あるいは複数文書のマルチプル・パッセージについての問題などが用紙に印刷されており、これを読んで解答していきます。所要時間は75分です。ちなみに、TOEICテストは全てマークシート方式となっています。
ここでも試されるのはスピードを伴った理解力です。コミュニケーションに必要なものは、まず受信する力、次に発信する力ですが、発信力についてはネクストステージの課題です。取りも直さず、聞き取りと同じく英語の情報を正確に受信するには、迅速で高い読解力が問われます。語彙力、品詞についての見識、それらを用いて英文全体を正しく読み取る力など、精読する力量が問われるのです。

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■TOEICガイドラインに沿って
TOEICは合否や資格付与ではなく、スコアによって実力を査定します。5点刻みに、リスニング・リーディングそれぞれ5点から495点までの評価が行われ、トータル最低10点から最高990点のスコアが認定されます。スコアからはどういったコミュニケーションが可能か、企業が人材別・業務別に期待する点数はどれくらいかなど、英語力を示す様々なガイドラインが設定されています。
受験者の英語力は、スコアによりAからEまでのレベルに分けられます。最低ランクのEレベルでは、まだまだコミュニケーションができる段階には至っていません。220点から465点までのDレベルで、ようやく最低限のコミュニケーションができるといえます。470点から725点までのCレベルは、限られた範囲内なら業務上のコミュニケーションが可能でしょう。どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えているのが、730点から825点までのBレベル。最も高い860点以上のAレベルになると、非ネイティヴとして十分なコミュニケーションを行うことができます。
企業が期待するビジネスパーソンのTOEICスコアは、主なもので新入社員に450点から650点、中途採用社員に585点から795点、営業部門に525点から775点、国際部門に655点から865点となっています(出典「人材育成における英語に関する調査」TOEICテストDATA&ANALYSIS2014)。

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■TOEICスコアを仕事に生かす
スコアとガイドラインを仕事や実生活に生かすためには、何よりも高いスコアを目指さなければなりません。ガイドラインに見るように、Cレベル以下では新入社員はともかく、企業が期待する人材としては不十分といえます。国際的なビジネスステージを志向する時、TOEICのリスニングおよびリーディング問題で測られる受信能力は必要不可欠なものです。スコアはこの能力をくっきりと反映し、英語を用いてできることできないことを篩(ふるい)に掛けていきます。
ハイスコアを目指してスクールなどを活用し、コミュニケーション英語能力をレベルアップしていくことで、スコアを生かした仕事や生活は見えてきます。あるいは英語を学習するモティベーションを長く保つために、ハイスコア取得を目標に掲げるのも良策です。あらゆるジャンルで国際化が進む現代社会において、継続的なブラッシュアップによる鮮度の高い英語力は、常に求められているものだからです。