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海外赴任でも役立つTOEIC (2017/05/30)

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■コミュニケーションに差し支えがないTOEICスコア
海外に出張や赴任をする場合は、いくら行く先の拠点や支社の中に自分の他に日本人がいたとしても、通常は英語でコミュニケーションをとる必要があります。社外で取引先との会議や打ち合わせに参加するときに英語が必要になるだけでなく、会議の中で配られる資料を読み込むときや自分が資料の文章を作成するときでも英語が出来なくてはなりません。また営業を行う時、そしてクレームの対応においても英語で対応することが求められます。会議ではなくても取引先や拠点と電話で会議をすることもありますから、ビジネス上、英語でコミュニケーションをとれるかどうかは、海外で仕事をする上で非常に大事となります。
英語でコミュニケーションをとることに差し支えがないと会社が判断しているスコアは660点から840点です。660点以上というスコアは、ただ日常会話が英語でできるというだけでなく、仕事をする上でもスムーズに英語を使うことが出来るレベルという位置づけになっています。同じ赴任をするにしても駐在して営業として働く場合は、どんな状況においてもコミュニケーションをしっかりとれるとされるレベルの730点以上というより高い数字を出すことが求められます。

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■TOEICの点数と昇進の関係
大手の企業が中心ですが、現在は日本国内だけでなく活動拠点を広げて海外進出を行っている会社は確実に増えています。そして海外に目を向けている会社ほど、TOEICの点数に強い関心を持っています。就職するときだけでなく会社で社員が受験することを推奨していることも多く、昇進の基準として点数を決めている企業もあります。
たとえば以下の会社は昇進に必要なスコアの基準を設けています。
・700点以上 楽天(課長以上の昇進) シャープ(課長職への昇進)
・730点以上 住友商事(管理職) 日本IBM(次長以上)
・750点以上 三菱商事(管理職) 楽天(上級管理職)
・800点以上 日立製作所(経営陣)
このスコアさえとることができれば昇進できるわけではありませんが、昇進をするかしないかについての大きな判断基準とされていることは確かです。海外でも活躍したいと考えている会社にとって、英語で上手くコミュニケーションがとれる社員は非常に重要な存在ですから、他の会社に引き抜かれないようにするためにも、昇進を約束するのでしょう。会社によって日本から海外へ進出することについての考え方は異なりますから、スコアを昇進の時に考慮するかどうか、またその重要度もそれぞれ異なります。昇進をすれば国際部門にいなくても出張や赴任で英語を使わなければならない機会は多くなりますから、十分なスコアを出すということは英語をしっかり使えるというアピールになります。会社でスムーズに昇進をしたいと考えている方は、上記のスコアを基準に、高い点数を目指して勉強を続けてください。

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■英検とTOEIC、どちらが有利か
英語の資格として誰もが知っているものにもう一つ英検があります。赴任をしたい場合、または国際部門などで主に英語を使って仕事をしたいという場合は、どちらの資格を持っていたほうが有利なのか、気になります。
もちろんどちらも英語力を判断するときの重要な見極めとなります。しかし、英検は日本で行われている検定ですが、世界的に通用する資格なのかと問われると弱い点があります。TOEICは現在世界150カ国で実施されているものですから、グローバルスタンダードとして定着しています。海外で活躍したければ赴任先の上司が英語力のあるなしを判断することになりますから、その判断基準としては世界で使われているTOEICを重視することが多いです。世界で共通する試験であれば日本人だけでなく他の国の人材と同じ条件で比べることができますから、海外では英検よりもTOEICを重視することが多いです。
世界で活躍してもらいたいビジネスマンに求められていることは、和文英訳や英文和訳が上手になるということではありません。和文英訳や英文和訳の知識も必要なものではありますが、それよりも重要視されることは、日常生活でもビジネスでもどれだけ英語を使って相手とコミュニケーションを取ることが出来るか、ということです。英検はどうしても日本独自の試験でいかにも日本が作ったというかたちの特色ある試験となってしまいがちですが、世界的にどの国でも使われている試験であれば自分が海外でListeningやReadingの部分でどれだけ通用するかをより客観的に判定することができます。海外赴任を希望する社員にのぞまれていることは、英語をどれだけ知っているかというよりも、英語をどれだけビジネスや生活の上で使いこなすことが出来るかどうかです。英検を重視している会社もありますから英検は必要ないというわけではありませんが、世界規模で活躍する会社の場合TOEICをより重視する傾向が強いと覚えておいてください。