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10年ぶりに新形式になったtoeicのテスト (2016/12/20)

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■10年ぶりに新形式になったtoeicのテスト
企業や学校も英語力レベルを表す指標として近年ますます重要視しているtoeicですが、実は、最近出題形式が変更になったということはご存知でしたか?2016年の5月29日に新たな形式の出題がスタートしています。新形式では、冒頭の写真問題が10問から6問に減らされていたり、リーディングセクションの短文穴埋め問題が40問から30問に減らされたりと、各セクションの問題数減少が目立ちます。その分、増強されたのがリーディングセクションの「ダブル・パッセージズ」問題が「マルチプル・パッセージズ」にリニューアルして20問から25問に増えた他、最大の変更点としてはリスニングセクションの会話問題が30問から39問に増えました。
出題の形式が変更になったのは、実に10年ぶりのことです。問題形式が多彩なtoeicでは、各問題の解き方をテクニック的にトレーニングしている方も多いことでしょうし、また出題数自体も多いので、各問題を自分なりに時間配分しキッチリ決めることでこなしている人も多いはずです。そんな中で、10年間、今までの形式での受験にせっかく慣れていたのに、急に形式変更されると対応しきれずに戸惑ってしまっている方も多いかもしれません。
toeicの公式見解では、旧形式と新形式のテストで難易度に変化はなく、旧形式で取れていた点数と同程度の点数が新形式でも取れるはずだということです。しかし、不慣れな新形式のテストに困惑して、大きくスコアを落としてガックリされる方もいることでしょう。

 

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■総合的な英語力が求められる新形式
新形式のtoeicテストの出題は、文章全体の理解力を重視して構築されているようです。具体的に、大きな変化としてはリーディングセクションのパート6、長文穴埋め問題で、従来の形式であれば空欄に入る単語を選択するだけでよかったところを、新形式では空欄に入る文章を選択しなければならなくなりました。今までは、スキミングと呼ばれるテクニックを使って文章を部分部分でつまみ読みすることで、空欄部分に入りそうな単語を簡単に推測することができていました。しかしこれからの形式ではよりいっそう、文章全体をきちんと読解して流れをつかむことが必要になり、時間の制約的にも英語力的にも手ごわい出題となってきます。
また、リスニングとリーディングの境目もあいまいになってきています。例えばリーディングセクションのパート7では、今までの形式ではEメールや広告などのあくまで文語での英語文をもとに出題されていたのが、これからの形式ではチャットやテキストメッセージなどのより口語的な英語文をもとに出題されることとなりました。従来の内容に比べて、よりカジュアルな英語力が要求される出題方法となっているのです。普段から英語をコミュニケーションに使用している人には楽にクリアできるでしょうが、普段はなかなか英語を使用するシーンがなく、ペーパーテストだけで実力測定をしているという人には厳しい変更です。
他にも、会話の中で話し手が暗に含めている意図を読み取るような内容の問題も加えられ、単に語学力よりも文脈を正しく読み取る読解力が必要とされるような傾向となっています。
以前よりも、小手先のテクニックで得点を重ねていくという攻略スタイルが通用しなくなってきており、素の英語の実力を測定するのにふさわしい形式にリニューアルされたということでしょう。巷のtoeic攻略本で紹介されているような「得点テクニック」を駆使して高スコアを獲得してきたタイプの方にとっては、苦しいリニューアルと言えそうです。

 

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■スクールで攻略法を学ぼう
旧形式で高得点が取れていた方は、新形式を受けることでガクッとスコアが落ちてしまうのでは?と恐れる人も多いでしょう。しかしながら、ご存知の通りtoeicは「慣れ」が高得点への一番の近道です。どうしても新しい形式での試験に不安があるなら、英会話スクールで新形式対応講座などを開講しているところもたくさんあるので、そういったところを活用してみるのもひとつの手です。スクールでは新たしいバージョンの試験に合った攻略法を伝授してくれるので、自分の受験感覚を新しい形式に慣らしておくという意味でも、スクールを受講してみることをおすすめします。スクールで感覚を掴んだ上で実際のテストに挑み、1回か2回は慣らし運転として受験し、3回めの受験で自分の目的スコアを出す、というくらいの心構えで受験をしてみてください。
いずれにしても、toeicの公式見解は「新旧形式で難易度に変化はない」とのことなので、必要以上に身構える必要もありません。常に満点ゲットを目指している人なら少しの変更も大問題になりえますが、700点台までくらいの人であればそこまで影響はしないとの見方もあります。人によって、どのセクションをメインの得点源とするかも違っています。新たな形式が自分に合っているかどうかを調べてみるためにも、まずは受験して知ることをおすすめいたします。