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TOEICが学生にもたらすもの (2016/10/19)

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■日本人と英語教育
日本における明治以来の読み書き中心の語学教育は、「欧米にキャッチアップする」という国家的要請が背景にありました。
1854年、日米和親条約が締結され、開国に伴い欧米の様々な文化文物が日本に流入し始めると、国家はこれらを日本の文化や産業に取り入れていくための基盤作りに迫られ、英語のテキストやマニュアルを正しく理解することが急務となりました。様々な改革が行われる中、教育制度も整備され、学校での英語教育がスタートします。以降、時代によって紆余曲折はあるものの、第二次世界大戦後から平成に至るまで、日本の英語教育は基本的に明治期のものを敷衍してきました。
読み書き中心の英語教育とは、徹底したグラマー(文法)教育であり、英語のテキストやマニュアル解読には極めて役に立つものでした。しかし、時代の推移に伴い、オーラル(口頭)コミュニケーションを必要とする場が増えたことで、意思伝達、意思疎通に役立てるには、グラマー中心の英語教育では不十分だとされるようになります。
2013年1月、文部科学省は英語教育の改革案を発表しました。これは、グローバル人材育成に向け、根本的な教育制度の是正を図るものです。特に小学校における英語教育の本格化を目指し、日本の英語教育は大きく舵を切ることになりました。

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■生きた英語を操る
グラマー中心の英語教育と、オーラルコミュニケーションを主体とした英語教育には、いずれも一長一短ありますが、どういった状況で英語を使わなければならないのかによって、取り組み方は変わってきます。友達同士でフランクなやり取りをするのなら、多少文法が間違っていても問題はありません。一方で、フォーマルな場に臨み、英語を使ったコミュニケーションをきちんと行わなければならない場合、そこに求められるのは、基本的な文法をしっかり守った上で、自分の考えをはっきり相手に伝えることができる能力です。
フォーマルな場といえば、たとえばビジネスシーンや会議、イベントなどが考えられます。こうした場は、英語を学ぶ者にとって、自身の能力を発揮するための格好のシーンです。そこでは不特定多数の人と対峙しなければならず、各シーンにおける適切なセンテンスを構成する必要があるからです。英語を学習し、学習した英語を活かそうと思うならば、友達間のやり取りで終始するのではなく、ぜひフォーマルな場に身を置く機会を得たいものです。
グローバル社会で活躍する企業や組織に属することは、英語を学ぶ若い世代が目指す方向の一つでしょう。先述の英語教育改革案は、これを後押しするためのものでもあります。しかし、グローバル社会で通用する英語力を操るのは、容易なことではありません。グローバル社会で通用する英語とは、「生きた英語」、即ち正確なグラマーに裏打ちされたコミュニケーション能力です。
明治以来、英語学習の中心に据えられてきた基本的なグラマーをしっかりと身に付けた上で、自身の考えを巧みに表現する力を養うこと。非常に高度な英語能力であり、その開発です。体系的な学習や、目安となるサンプルあるいは指針を要します。改革された英語教育が、次世代の英語能力にいかに有効に働くかは未知数ですが、少なくとも現在英語を学習する学生にとって、自身の英語能力をより高めるための手段はいくつか考えられます。
Test of English for International Communication、TOEICは、中でもとりわけ有効な手段の一つです。英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通のテストであるTOEICは、スコア判定で受験段階における受験者の能力が明確に示され、世界的な基準に照らし合わせた英語能力を測る目安となります。また、スコアの目標点数を設置することで、英語学習の指針とすることができます。

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■TOEICのメリット
TOEICスコアは様々なところで適用され、活用されています。2013年の上場企業における英語活用実態調査では、75%の企業が英語を使用しているというデータが示されています。うち6割の企業が国際部門での業務遂行に700点以上のTOEICスコアを期待しており、3割の企業が海外赴任者選抜にTOEICテストを導入しています。この調査からは、多くの企業がグローバル人材育成のために、何らかの取り組みを実施しているという結果が見て取れます。
現在の学生にとって、こうした状況は、自身の方向を見出す大きなガイドラインとなります。有意義な就職、あるいは社会活動を目指すならば、TOEICでハイスコアを獲得できるレベルの英語能力が必要だというわけです。TOEICハイスコアの獲得に向け、相応のスクールなどで学習し、高度な英語能力の開発を図ることは、就職に限らずグローバルなシーンに臨む機会を得ることにも繋がります。つまり、TOEICを活用するメリットは、企業側だけではなく学生側にもあるのです。
TOEICが学生にもたらすものは、ステップアップに有利なスコアとともに、スコアの先に用意されているグローバル・ステージでもあるでしょう。