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TOEICを就活に生かす (2016/10/19)

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■企業が求めるアビリティ
現在の企業が学生に求めている能力について、近年の統計では主に次のような5つの能力と結果が出ています。
トラブル時に発生した問題を認識し、必要な情報を収集して問題を解決することができる問題解決能力。筋道を立て、論理的・合理的にものごとを考えることができる論理的思考力。自分の考えを持ち、自律的にものごとに取り組むことができる主体的行動力。複数の意見をまとめ、グループを引っ張っていくことのできるリーダーシップ、および協調性。ストレスをコントロールできる自己管理力。
主にこうした資質や能力が、企業にとって望ましいものとしてあげられています。業種にもよりますが、どのような仕事内容であっても、これらの能力は必要とされこそすれ、マイナスに働くことはありません。就職活動に励む学生にとって、注目に値する結果です。
中でも最も重視されているのは、コミュニケーション能力です。前述の様々な能力を抑え、文系理系どちらのジャンルの学生に対しても、企業が強く求めているのは、他者とスムーズに意思疎通のできるコミュニケーション能力でした。
他者との円滑なコミュニケーションは、複数の人間が携わる仕事で業務を進めていくためには、とても大切な作業です。上手に他者とコミュニケーションが取れる人材は、営業にも社内の会議にも優れた手腕を発揮するでしょう。面接やグループディスカッションなどで測られるのは、話術やプレゼンテーション能力ではなく、他者とのやり取りだともいわれています。
さて、ワンランク上の就職を目指すのであれば、日本語でのコミュニケーションはもちろん、英語を使ったコミュニケーション能力を披露してみてはいかがでしょうか。海外に展開している企業というのは多くあります。日本語で必要十分なコミュニケーションを取れる人なら、さらなるステップアップを目指してみても良いはずです。

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■TOEICスコアを基準に
Test of English for International Communication、通称TOEICは、世界中で実施されている英語テストです。英語によるコミュニケーション能力を測定するものとして、聞き取りと読み取りの問題が設置されており、結果がスコアで示されます。
スコアというのは、合否や資格を付与するものではありません。聞き取り読み取り、それぞれの解答が5点刻みに合計10点から990点までの数値となって表されますが、あくまでこの数値は受験者の能力を測る目安として考えられています。英語を使ってどのようなパフォーマンスができるか、スコアからはおおよそわかるようになっています。
聞き取り、リスニングセクションでは、下位は5点から270点レベル、上位は375点から495点レベルで区分され、それぞれ長所と弱点があげられています。レベル別評価です。読み取り、リーディングセクションでも、下は5点から220点レベル、上は425点から495点レベルに区分され、レベル別評価が行われています。
最上レベルに位置すると、話の主旨や目的を正確に理解し、広範囲にわたって情報を関連付ける能力があると認定されます。このレベル評価によって、議論の内容を理解し得る能力、必要な情報や資料を収集する能力を備えていると判断されることになります。
TOEICは、コミュニケーションレベルに重きを置いています。スコアから浮かび上がってくるのは、英語を使って他者とやり取りできる能力のキャパシティです。
現在、多くの企業がTOEICスコアを導入し、積極的に活用しています。人事担当者が、就職活動を行う学生の能力を査定する一つの基準にもなっています。当然スコアが高ければ高いほど、パフォーマンスのキャパシティは上がっていきますし、ハイスコアは就職においても有利に働きます。

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■就職戦線異状なし
TOEICを勉強したことのある人ならわかると思いますが、設問には実際にありそうなビジネスシーンが扱われています。「クレーム対応のメール」「社員へのメモ書き」「広告の文章」など、学生にはいささか馴染みのないシチュエーションですが、こうしたTOEICの出題例文を勉強することによって、ビジネスに対する理解が深まり、社会人としてのシミュレーションを行うことができます。また、いざ実地で英語のやり取りを行う際には、勉強した英文が非常に役立つことに気付くでしょう。
「TOEICの出題英文は丸暗記したほうが良い」といわれるほど、実用性が高いとされています。英語によるコミュニケーション能力を就職に活用し、その後も生かしていこうと思えば、就活生にとってTOEICの勉強は意義深いものとなります。
就職がうまくいったとしても、仕事は継続します。肝心なのは、コミュニケーション能力を用いて、どのような仕事を行うかです。自分の望む仕事、その仕事で実現できること。就職をゴールだと考えるのではなく、その先を見据えた目標を定めること。英語の学習も同様で、到着地点がここまでで、辿り着いたら終わりというようなものではありません。望むべきは、TOEICの目標スコアとともに、自分だけの目標を定めることです。様々な人とやり取りし続ける限り、勉強と研鑽を続けることが大切なのです。